業務でドローンを使いたいが、毎回飛行場所と日時を申請するのは負担に感じている方へ。全国包括申請なら、申請の手間が大幅に削減でき、広範囲で継続的にドローンを飛ばすことが可能になります。この記事では、全国包括申請の制度内容から申請方法、メリット・デメリット、注意点まで安全かつ効率的に活用するポイントをわかりやすく解説します。
目次
ドローン 全国包括申請とは何か、その制度の全体像
ドローン 全国包括申請とは、航空法に基づく飛行許可・承認申請の一形態で、飛行日時や経路を特定せずに申請できる方式です。継続的かつ反復してドローンを飛ばす事業者などが対象となり、有効期間は最長で1年です。申請できる範囲は日本全国が可能ですが、飛ばす目的や安全対策の体制などが審査の対象となります。
制度を理解するためには、個別申請との違い、対象となる飛行の種類、包括申請が使えないケースも押さえておくことが重要です。
個別申請と比較した包括申請の特徴
個別申請では、飛行ごとに「日時・場所・経路」を明確に特定して毎回申請する必要があります。その都度審査が入り、準備や対応が煩雑になることがあります。
一方、全国包括申請では申請者が継続的かつ反復して飛行を行うという前提で、1年間の許可を得られます。日本全国を範囲にできるため、飛行区域が頻繁に変わる事業には大きな利点があります。
対象となる飛行の種類と条件
包括申請が利用できるのは、航空法で規定された「特定飛行」のうち、反復して継続的に行われるものです。具体的には第三者の上空や夜間、視界外飛行、30メートル未満で人や物から離れない飛行など、飛行方法・空域・条件によって対象が定められています。
ただし「飛行経路を特定しない申請」は、飛行計画により安全性や影響を判断できる範囲でのみ認められており、すべての特定飛行が対象になるわけではありません。
包括申請が使えないケース
全国包括申請でも申請できない事案や条件があります。例えば、祭礼やイベントの上空飛行、送電線や空港周辺など特に安全上のリスクが高い空域、飛行の経路が著しく複雑で変化が大きいもの、また飛行日時や高度を明確に予測できないものは個別申請が求められることがあります。
こうしたケースでは包括申請は適用にならず、都度の許可申請が必要です。
申請手続きのステップと必要な準備
全国包括申請をするには、国土交通省が提供するオンラインサービスを利用し、飛行に関する情報の登録や安全管理体制の整備など多くの準備が必要です。
この見出しでは、準備すべき項目、申請の流れ、提出後の審査内容について詳しく解説します。
DIPS2.0を使った申請のための登録と情報整備
申請はドローン情報基盤システム2.0(通称:DIPS2.0)を通じて行います。まずはアカウント登録を行い、機体情報と操縦者情報を入力します。機体登録が済んでいない場合は登録を行い、操縦者技能証明など必要な証明書を整えておく必要があります。
安全管理体制として目的・責任体制・維持点検・保険加入などを網羅した内容を申請書に記載することが求められます。
申請書の内容と審査ポイント
申請書には次のような内容が必要です:申請者情報、飛行目的、対象飛行方法(夜間・視界外など)、安全対策、機体認証・操縦者技能証明の有無、飛行高度や対象空域など。
審査では特に「安全性確保のための措置」が重視されます。第三者の安全、地形・気象、通信環境などを考慮した具体的な対策があるかどうかが鍵となります。
申請時期と有効期間の設定
全国包括申請の有効期間は最長で1年です。申請は継続的に繰り返す飛行を見込む場合に申し込むことができ、期間中は複数地点での飛行が可能です。
申請書提出は飛行を開始する少なくとも10開庁日前が目安です。特に審査に時間がかかる可能性のある条件がある場合は、余裕をもって準備を進めることが望ましいです。
メリットとデメリット。包括申請を活用するなら知っておきたいこと
全国包括申請を使うことで、作業効率や計画の自由度が飛躍的に高まりますが、すべてのメリットが活かせるわけではなく、制約やリスクも存在します。
ここでは利用する前に理解しておくべき利点と注意点を一覧形式で整理します。
包括申請を選ぶ利点
まず何より毎回申請する手間が省けることが最大のメリットです。複数の地点や日時でドローンを飛ばす業務ではその時間とコストが大きく削減されます。
また、日本全国を範囲とすることができるので、現場が遠隔地・移動が多い場合にも一度の申請で対応できるのは大きな強みです。さらに、安全管理体制が整っていれば一定の信頼性が認められ、審査の簡素化が図られる傾向があります。
包括申請のデメリット・制限
ただし、包括申請には制限があります。飛行経路を特定しない場合には許可対象が限定され、その内容によっては申請不可となることもあります。飛行計画の詳細や高度を明示する必要がある状況もあります。
また、安全性に関する準備が不十分だったり、経験や技能証明が不十分であると審査通過が難しくなります。さらに、許可取得後にも報告義務があり、運用の遵守が求められます。
どちらの申請が向いているか比較する
以下の表は「包括申請」と「個別申請」の比較です。用途や運用体制に応じてどちらが最適かを見極める材料になります。
| 項目 | 全国包括申請 | 個別申請 |
|---|---|---|
| 適用範囲 | 日本全国、多地点・継続的な飛行 | 特定日時・場所・経路ごと |
| 有効期間 | 最長1年 | 飛行ごとまたは期間限定 |
| 申請の手間 | 手順が予め整えば省力、繰り返し不要 | 都度申請が必要で準備が負担 |
| 制限・条件 | 内容によって一部飛行が含まれないこともあり | 飛行経路や日時を正確に示せば通りやすい |
申請後の運用・遵守事項とよくあるトラブル事例
全国包括申請を取得しても、運用が適切でなければ許可が取り消されたり、罰則対象となる可能性があります。
この見出しでは、申請後の注意点、安全運用のためのポイント、事例から学ぶトラブル予防策について解説します。
許可取得後に守るべき運航ルール
包括申請を得た後でも、飛行前の計画確認や現地の状況確認など安全性の確保は常に必要です。飛行禁止空域の確認や他の航空機との接近管理、第三者・物件への配慮などを怠ってはいけません。
また、機体メンテナンス記録、操縦者の技能の継続的な更新、安全体制の見直しや報告義務なども求められます。
申請内容と実際の飛行が異なる場合のリスク
申請した飛行範囲や条件と実態が異なる場合、航空局から問い合わせや指導が入ることがあります。悪質と判断されれば、許可の取り消しや罰則対象となることもあります。特に飛行経路が特定されていない包括申請では、実際の運用が曖昧になることがリスクです。
こうしたズレを防ぐために、運用マニュアルを作成し、社内で共有することが重要です。
一般的なトラブル事例とその対策
よくあるトラブルには、申請時に記載した安全対策が不十分であったこと、予想外の気象条件に対応できなかったこと、また地域住民や自治体との調整不足による苦情やトラブル、申請書の記入ミスなどがあります。
対策としては、申請前に過去の許可事例を参考にし、現地踏査を行い、関係者との調整を行うことが有効です。専門家に相談することも検討してください。
制度の最新動向と予測される今後の変化
ドローン飛行に関する法律や運用ガイドラインは着実に改正され、安全性と利便性のバランスが見直されています。包括申請制度についても申請手続きの簡素化や審査の迅速化、システムの改良が進んでいます。
この見出しでは最新の制度改正と今後予測される動きが何かを押さえておきましょう。
手続きの簡素化とオンライン化の進展
飛行許可・承認申請手続きはオンラインサービス運用が原則となっており、申請書の記載例やマニュアルも整備されていて操作性が向上しています。申請項目の一部見直しによって入力負荷が低減され、審査期間も目安の10開庁日前申請などが示されています。
こうした動きは、特定飛行や包括申請を使いやすくする方向で進んでいます。
法令改正や規則の見直し内容
航空法施行規則の一部規定では、飛行方法に係る承認が不要な飛行の取扱いについて通達が制定され、標準マニュアルの更新も行われています。これらは包括申請に関する運用にも影響を及ぼす可能性が高いです。
また、機体認証・操縦技能証明制度の適用範囲や要件も調整されており、安全性を確保しつつも利用しやすさを高める方向にあります。
将来予測:制度がどう変わるか
今後は包括申請の対象空域の拡大、審査基準のさらなる明確化、AIや自動化されたマッピング等の技術活用による飛行計画の簡便化が想定されます。地元自治体・住民との調整も重要視され、条例や地域別条件の明確化が進む可能性があります。
技術進展による第三者との安全距離測定や飛行監視システムの普及も、包括申請の活用を後押しする要因になるでしょう。
まとめ
全国包括申請は、継続的かつ広範囲でドローンを飛ばす運用において大きな利便性を提供します。特定の日時や場所を都度申請する必要がなくなり、事業効率が飛躍的に向上します。
ただし、飛行経路を特定できないケースや安全対策が不十分であると包括申請の対象外となることがあるため、制度内容と自身の運用が適合するかを慎重に確認する必要があります。
制度を活用するためには、自身の機体登録や操縦者技能証明、安全管理体制などを事前に整え、DIPS2.0でのアカウント作成や申請書類の記入にも慣れておくことが肝心です。リスクを管理しつつ、安全で自由なドローン活用を実現させてください。
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